月別アーカイブ: 2014年4月

上司が経営書の内容を実践しない理由

前職では上司からビジネス書を読めという圧力がありました。推薦してくる本の中には「部下を管理する方法」なんてのも掲載されており、勿論パワハラしろなんて書かれてもいないのに上司のパワハラは止まりませんでした。その辺の訳を描いてみました。
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前職では専門書を読んで勉強するのは勿論のこと日経ビジネスなどの雑誌も購読していました。しかし営業部役員は、自分が気に入った雑誌を見つけると気まぐれに「この雑誌も定期購読しろよ。勉強になるぞ。」などと結構な出費を押し付けてくるばかりか、自分の知り合いが出した書籍の購入も薦めてくるのです。推薦された本を読まないでいると、役員からの印象が悪くなるため従業員で共同購入して感想を補完しあうという対抗策をとっていました。

そんな彼が好きな本の一つが経営管理論の発明者ドラッカーの書籍です。ドラッカーの本を読んでいくと「こんな経営管理を我が社にも取り入れてほしい!」と言わんばかりの美辞麗句が並んでいる訳ですが、営業部役員にはそれら手法を取り入れる姿勢は見られませんでした。例えば漫画の例をとるとドラッカーさんはこう書かれております。

会議の生産性をあげる
会議の生産性をあげるにはかなりの自制を必要とする。会議の目的を決めそれを守らなければならない。目的を達したときには直ちに閉会する。別の問題をもちだしてははならない。総括したら閉会する。

出典:ドラッカー名著集1 経営者の条件P13より

アメとムチによるマネジメント、すなわちX理論によるマネジメントはもはや無効である。先進社会では肉体労働者にさえ通用しない。
知識労働者に対しては、いかなる社会でも通用しない。マネジメントの手には、もはやムチはない。アメさえ人を動かす要因とはなくなった。

出典:ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践P290より

我が社の会議は生産性なんて皆無に等しく、ひたすらノルマ未達者を吊し上げる罵倒大会になっていましたし議題が脱線しまくりでした。また管理手法に至ってはドラッカーさんが現代では通用しないと言っている飴と鞭を存分に発揮され従業員を痛めつけておられました。

上司は書籍に書かれているような成果をあげる管理手法を何故実践しないのか?と疑問に思っていた所、赤田さんが教えてくれました。営業部役員がビジネス書を読む目的は、クライアントと話題を合せるためだそうです。つまり読書によって得たマネジメントの知識を会社に生かそうとは思っていないのです。役員クラスの人だったら権力も実行力もあるのだから、本の内容を実践してくれよ…と下々は思うのですが…

尊敬できない人が出世コースにいる会社の離職率は高いと思う

パワハラ会社と今の職場では若手の離職率に大きな差があります。その原因の一つ出世している人物像の違いではないかと感じています。
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出世コースに乗っている人物を見ると、会社の社風が見えてくると思います。今の職場では漫画のように仕事が出来て、マネジメントが出来る人が出世しており皆からも尊敬されていました。前職のパワハラ会社では、役員クラスまで出世するためには上に媚び諂うことが前提条件であり、加えて成績をあげるために部下の成果を平気で横取り、失敗は部下に押し付けて自分の失点を減らすスキルが必要でした。そしてパワハラ会社では、会社だけの常識が何より優先され、例えまともな意見であっても経営陣に背けば容赦なく「仕事ができない」との烙印を押され出世コースから外れていくのです。

こんな状態ではロスジェネ世代の若手にとって尊敬できる上司は少なかったですし、社内で繰り広げられる茶番劇を冷めた目でみて「こんな人間になりたくない」と失望していました。職場環境、給与なども大事ですが、出世コースに尊敬できる人がいないというのも退職要因の一つだと思いましす。なおバブル世代以上の人達ともなると、社内政治に明け暮れ部下の成果を横取りする上司を疑問も無しに尊敬されておりました。今でも疑問でなりません。