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下を泣かすのは社会人の武勇伝か?

公衆の面前での叱責はパワハラに当たるので、怒鳴って下を泣かすのもパワハラだと思います。
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ある日、西野さんがジェノサイド部長に容赦無くフルボッコにされておりました。そんな公開処刑を見たあと、私は倉庫に書類を取りに行きます。倉庫の扉をあけると漫画のように、西野さんがすすり泣いておられました。あまりにも可愛そうだし、泣いている姿を後輩になんか見られたくないだろうと思って私は見なかったことにして、その場を去りました。

数日後、その話題をジェノサイド部長から耳にします。しかも「俺が西野を泣かせてやったんだ!」と言わんばかりに笑いとばしながら話していました。彼にとって部下を泣かすことは武勇伝の一つくらいなのでしょう。なお、この会社では私を含め、泣くまでは至りませんが半泣き(目に涙ウルウル状態)の人を何人を見かけましたし、それを揶揄して「あいつ、目に涙貯めていたぞ」と言う上司も数人おられました。小学生みたいです。

補足ですが、この西野はジェノサイド部長はじめ色々な人に怒られていましたが、それには理由がありました。彼は役員のスケジュールを本人の了解無しに勝手に変更したり、重要な契約書を紛失したのを黙っていたり、普段は遅くまで残業している癖に期限が迫っている仕事がある時に限り仕事を放置して早く退社し飲みにいくなど、突っ込み所満載の男だったのです。私も後輩ながら切れたことがありましたが、西野さん、まだ会社で元気にやっているのかちょっと心配になりました。

社内のおかしなルール「若者は高価な時計をしてはいけない!」

社内には身だしなみに関する変なローカルルールが存在していました。カバンの大きさやシャツのデザインなんかもチェックされたことがありましたが、今回は時計に纏わる話を書いてみました。
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社内では時計をつけているのが常識でした。金融業界という固い職場であったためかデジタル時計やG-shockはNGでした。また客前や上司の前で携帯電話やスマホで時間を確認しちゃうと、こっ酷く怒られる空気がありました。

そんな中、1年先輩の西野さんが給料を貯めて50万円くらいのロレックスを購入し会社に着けて来たことがありました。これがなんと落とし穴でした。漫画にもあるように西野さんは、若手のくせに高価な時計を買ったということで説教を受けます。総務部長によると西野さんの罪状は「半人前の若手が高価な時計をしていると、取引先に不快な印象を与えるので着けないほうが良い!」というものでした。極端に高価な身なりであった場合は、取引先に不快感を与える可能性はあるかもしれませんが、西野さんの身なりは時計以外普通でしたので、それほど目くじらを立てなくても…と思います。これは邪推ですが、若手が自分より良い時計をしているのがムカツクという人もいたので、こんな説教もまかり通るのかな?と思います。

こんな茶番劇があったため、私は引き出物で貰うカタログギフト(3000円くらいの商品を選ぶ本です)で選んだ薄っぺらい時計を、この会社を辞めるまで装備することになりました。同い年くらいの社会人が、ちらっと良い時計をしている姿が物凄く羨ましかったです。