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顧客満足度なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。

この話は上司から「我が社の顧客満足度が低い訳が無い!」と無慈悲に怒鳴られた場合の対処法
の続きです。
前回を読まないと意味不明だと思うのでその辺よろしゅう。
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部長の「捏造はしていないんだろうね」という言葉は
「顧客満足度調査の集計方法に疑義がかけられても、お前の責任で俺は知らないからな」
と暗に言っている訳です。
自分が捏造を強要しておきならが、全責任を従業員になすりつける鬼畜技なのです。

こういうことを書くと「捏造の指示なんか断ればよい!」的な正論のコメンツを頂くのですが
入社して間もない私には、捏造を強要する上司と捏造が平常運転の職場で
そのような正論を言う選択肢はありませんでした。

余談ですが、この顧客満足度調査結果は我が社の管理職以上の会議資料として
公表されただけで、結果を改善に繋げようという動きは皆無でした。
表面上は顧客満足度最高なので改善点がありませんからね(ゲス顔
なお、調査にあたっては営業部隊が調査票を顧客にばら撒いたり
総務部が封入、郵送したり手間はかかっておりました。無駄でしたけども。

我が総務部ではこのような茶番が日常的に行われており、薄毛率が高かったと記憶しています。

上司から「我が社の顧客満足度が低い訳が無い!」と無慈悲に怒鳴られた場合の対処法

会社では1年に1度、顧客満足度調査のようなアンケートを行っていました。
表向きは調査結果を分析し、業務改善に繋げるというものでした。
アンケート項目はマンガと違い色々ありましたが、マンガでは
わかりやすく表現していますので、その辺突っ込まないでくれよ。
なお私は金融関係の会社(ベンチャーキャピタル)に勤めていたため、
顧客というのは投資先の会社のことを指します。
※ベンチャーキャピタル・・・未上場企業に投資し、株式上場、M&Aさせて儲ける仕事。
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マンガの通り、部長が望んでいたのは顧客満足度最高の結果のみでありました。
なぜならば「我が社の顧客満足度は最高である!」という精神論が
社長や一部の役員に蔓延していたため、無慈悲な現実を突きつけようもんなら
部長が問い詰められる恐れがあったのです。全く理解不能ですがね。

その辺の空気を全く読めていなかった私は訳もわからず怒鳴られたのです。

こういう状況を思い出すと第二次世界大戦時の日本軍の組織と同じじゃん!と思うのです。
日本の敗戦を分析した定番の書「失敗の本質」よりちょっと抜粋してみました。

失敗の本質より引用

事実を正確かつ冷静に直視するしつけをもたないために、フィクションの世界に
身を置いたり、本質にかかわりない細かな庶務的仕事に没頭するということが
頻繁に起こった(P288)

失敗した戦法、戦術、戦略を分析し、その改善策を探求し、
それを組織の他の部分へも伝播していくということは驚くほど実行されてなかった。
これは物事を科学的、客観的に見るという基本姿勢が決定的に欠けていたことを意味する(P326)

日本軍はときとして事実よりも自らの頭のなかだけで描いた状況を前提に情報を軽視し
戦略的合理性を確保できなかった(P328)

引用終わり

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)