これはパワハラと違いますが、絶対おかしい我が社の成果主義の実態です。
総務にいた頃、たまたま会社の中期計画をチェックする機会がありました。計画書を良く読んでみると、営業方針の冒頭に成果主義導入によって業績向上するぞー!と威勢よく書かれていました。成果主義と聞くと、実績を出せば出した分だけボーナスが増えるのでみんなやる気になって業績が上がるよ!という理解を持っていました。しかし人件費のページに目をやるとなんと賞与総額が既に計画されており、しかも年に数%ずつ削減する予定だったのです。従業員はボーナス目当てに頑張るけれどそのボーナス支給額には上限があるのです。
矛盾を感じたので宇野さんに聞いてみました。「仮に従業員全員がノルマを達成し全員がボーナス増額となった場合は、中期計画に記載されているボーナス総支給額を上回ってしまうのでは?」と。宇野さんは静かに言いました。「その場合は、ノルマ達成者のなかでも成績が低い人間のボーナスを減らすのでボーナス総支給額は計画通りになるんだ」と…。最後のコマにもあるように我が社の成果主義とは、本来の意味とはかけ離れており単なる人件費削減の言い訳に使われておりました。成果を上げてもボーナスが下がる可能性がある仕組みで誰が頑張るのでしょう。
私も営業部に行ってから実感したのですが現場にいると、どうしても目先の仕事に囚われてしまうため、自社で導入する成果主義のような新人事制度の詳しい仕組み(全員がノルマを達成した場合の査定方法等)や、中期経営計画になかなか目が届かないものです。ですが中期計画などを読んでみると、やや矛盾している点や、一部の経営陣が密かに進めている計画が見え隠れしている場合があるので目を通す価値はあるんだなと思いました。
今回のエピソードも、すっごい覚えがあります。
公平公正に制度を作る事はできない。
公平公正に評価をする事はできない。
公平公正な上司は存在するはずがない。
そもそも上司が優秀とは限らない。
従業員にも下請けにも 「 支払いたがらない 」 という経営理念の低さが、この国をだめにしていると思います。まぁ、先進国はどこも同じようですが。