月別アーカイブ: 2014年3月

指揮系統の無視は上司の責任逃れを加速させる?

我が社では上司の指示通り仕事したにも関わらず説教されることは多かったです。そんな姿を描いてみました。ほんと懐かしい光景です。
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宇野さんと私は総務部長から「取締役の講演原稿を作ってね♪内容は素人向けで、景気動向なんかのテーマでOK♪」と指示を受け原稿を作成します。しかしこの講演会は金融関係者が集まるものであり、より専門的な原稿を欲していた取締役から景気動向の講演原稿にNGを出されます。こういう場合、指揮系統から言うと取締役は総務部長に「この原稿、求めている内容と違うから書き直して」と叱るのが通常です。

我が社では違いました。取締役は部長をスルーし、原稿を作成した下っ端に「勝手な内容を書くんじゃない!」と直々に有難い説教をしてくるのです。下っ端に指示をした張本人の総務部長はと言うと見て見ぬ振りをする所か、取締役と同じように我々を説教しだすのです。こういった茶番劇はかなり見慣れた光景であり、最初は驚いたものの慣れていきました。

このように本来の指揮系統無視の説教をした場合、直接指示を出した上司はなんとなく責任を逃れ、責任は下っ端に向いてしまいます。そして直接指示を出した上司は自分の過失を隠すべく、自分を棚にあげて下っ端へ説教をすることで「自分は悪くないですよ!下っ端が全部悪いんですよ!」というアピールを行うため、余計に公開叱責という名のパワハラが増加し職場の雰囲気を悪くしていると思うのです。

なお、この取締役は指示がコロコロ変わる変人だったので、総務部長が完全に悪いとも言い切れないのが悲しいです。

まともな上司は組織に疲れて退職する

我が社の営業部エースであり、従業員からの信頼も厚かった杉内さんは私の入社後2年ほどで退職されます。その過程を描いてみました。
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我が社の管理職会議は社長の茶坊主と化した総務部長らの独演会でした。社長のお墨付きを得た提案に反対できる空気は無く意見があまり出ない会議でした。そんななか唯一現場の意見を吸い上げ、積極的に発言していたのが杉内さんでした。しかし杉内さんは、ある時期から会議でもほとんど意見を言わなくなり、他の管理職と同様に座っているだけになっていくのです。

その訳は社長派の提案に修正案を出したり議論を重ねても茶坊主達に却下され「何をやっても無駄」という境地に達したからと杉内さんは打ち明けてくださいました。そして「意見を出すことに疲れたんだ」と仰ったのが印象的でした。こんなこともあってか杉内さんは転職してしまいます。

なお杉内さんは、社長派が導入を推進していた「営業ノルマを上げると従業員のモチベーションも向上し業績も上向くというトンデモ成果主義」に真っ向から強力に反対されていましたが、無念にも導入されてしまい我が社を混乱と人間不信の渦に巻き込み、多数の離職者と大赤字を出すことになります。