部下に「〇〇の改革案を提示せよ」と命じるものの、いざ部下が上司に改革案や改善案を提示すると「やっぱ改革はやめておこう」と拒否される無慈悲な話です。ボツになるとわかっていて改革案を作れと部下に命じるのは、ほんと無駄の極みだと思います。
改革案や改善案を提案して拒否されたとしても案を検討してもらい、その結果駄目だったなら納得できます。しかしマンガの3つの理由のように検討もせずに門前払いされるとモチベーションが下がるんですよね。
ただ「②前例がない案のため承認が得られない」のケースでは改革案提案時には門前払いされるのですが、ライバル社やグループ企業が提案していた新サービスなりを導入し前例が出来てしまうと、すぐさま承認がとれます。横並び大好きな日本人にありがちですね。
さらに「③反対派を恐れるあまり改革に踏み切れない」のケースでは改革案自体は一度は門前払いされますが、数年をかけて敵対部署に悟られないように巧妙に改革されていく実例をよく見ました。ただこの場合は会社をよくするための改革ではなく、単なる敵対部署の反対派をギャフンを言わしてやりたいという上の想いが強かったように思います。
一番駄目なのは「①有力者の肝いりなので改革に着手できない」でしょう。前社長や前役員、そして社外の有力者関連の案件を改革することは例え経済合理性があってもタブーでした。有力者といっても社内に影響が無いんだからいいじゃねーか!と思うのですが、役員クラスの方はそういった有力者のご機嫌を気をかけられていました。そしてこれらタブーは社内に留まり腐敗し、数年後やっと改革しようとした時にはすでに手遅れになり、どう手を付けて良いかわからない状態になっているのです。まさにパンドラの箱です。
未来工業の創業者、山田昭男氏の仰るように改善などはやってみて、駄目なら元に戻せばいいと思うのですが、私のいた会社ではそうは簡単に行かないようでした。