我が社の営業部エースであり、従業員からの信頼も厚かった杉内さんは私の入社後2年ほどで退職されます。その過程を描いてみました。

我が社の管理職会議は社長の茶坊主と化した総務部長らの独演会でした。社長のお墨付きを得た提案に反対できる空気は無く意見があまり出ない会議でした。そんななか唯一現場の意見を吸い上げ、積極的に発言していたのが杉内さんでした。しかし杉内さんは、ある時期から会議でもほとんど意見を言わなくなり、他の管理職と同様に座っているだけになっていくのです。
その訳は社長派の提案に修正案を出したり議論を重ねても茶坊主達に却下され「何をやっても無駄」という境地に達したからと杉内さんは打ち明けてくださいました。そして「意見を出すことに疲れたんだ」と仰ったのが印象的でした。こんなこともあってか杉内さんは転職してしまいます。
なお杉内さんは、社長派が導入を推進していた「営業ノルマを上げると従業員のモチベーションも向上し業績も上向くというトンデモ成果主義」に真っ向から強力に反対されていましたが、無念にも導入されてしまい我が社を混乱と人間不信の渦に巻き込み、多数の離職者と大赤字を出すことになります。

