我が社の営業部エースであり、従業員からの信頼も厚かった杉内さんは私の入社後2年ほどで退職されます。その過程を描いてみました。
我が社の管理職会議は社長の茶坊主と化した総務部長らの独演会でした。社長のお墨付きを得た提案に反対できる空気は無く意見があまり出ない会議でした。そんななか唯一現場の意見を吸い上げ、積極的に発言していたのが杉内さんでした。しかし杉内さんは、ある時期から会議でもほとんど意見を言わなくなり、他の管理職と同様に座っているだけになっていくのです。
その訳は社長派の提案に修正案を出したり議論を重ねても茶坊主達に却下され「何をやっても無駄」という境地に達したからと杉内さんは打ち明けてくださいました。そして「意見を出すことに疲れたんだ」と仰ったのが印象的でした。こんなこともあってか杉内さんは転職してしまいます。
なお杉内さんは、社長派が導入を推進していた「営業ノルマを上げると従業員のモチベーションも向上し業績も上向くというトンデモ成果主義」に真っ向から強力に反対されていましたが、無念にも導入されてしまい我が社を混乱と人間不信の渦に巻き込み、多数の離職者と大赤字を出すことになります。
「なぜ日本の教育は変わらないのですか?」という本のグレゴリー・クラーク氏(現多摩大学学長)が文科省の官僚に日本の教育の問題点を指摘していた時と構造がまったく一緒ですね。主張者が言っていることは正しいのだけど、相手がまるで聞く気がない、そして権力があるため議題のイニシアチブが向こうにあるということ。(もちろん、クラーク学長が主張をしたことはまったくの無駄ではなかったですが、本来やりたかったことの数%くらいしか発揮できていない)
杉内さんみたいな優秀な方も、上層部の集団リンチには対抗できなかった・・・・。
もしかしたら、上層部は自分たちの意見を通すためにはこういう集団リンチをすることでどんなに優秀な人でも学習性無力感を植えつけることができる。これで社内の反逆者をなくせるということが本能的に分かっているんじゃないかなと。
恐ろしい・・・
今回は、怖すぎてコメントもできません……
製造業課長級です。
いま、意見を言わなくなって転職活動を始めているフェーズです。
もっと若いうちに転職すればよかったと後悔しています。
まさに、今のいる組織
ただノルマを増やし、できないやつは切る
人を採用し組織を活性化させるための部署なのに
自ら職場の魅力を潰す今の管理者たち
50代のただいれば金が入った世代に上からいわれても困ります
凄い納得の行く記事でした
社内評論家はいらない
異論唱える割に具体的対策何もいってないじゃん