前職では上司からビジネス書を読めという圧力がありました。推薦してくる本の中には「部下を管理する方法」なんてのも掲載されており、勿論パワハラしろなんて書かれてもいないのに上司のパワハラは止まりませんでした。その辺の訳を描いてみました。
前職では専門書を読んで勉強するのは勿論のこと日経ビジネスなどの雑誌も購読していました。しかし営業部役員は、自分が気に入った雑誌を見つけると気まぐれに「この雑誌も定期購読しろよ。勉強になるぞ。」などと結構な出費を押し付けてくるばかりか、自分の知り合いが出した書籍の購入も薦めてくるのです。推薦された本を読まないでいると、役員からの印象が悪くなるため従業員で共同購入して感想を補完しあうという対抗策をとっていました。
そんな彼が好きな本の一つが経営管理論の発明者ドラッカーの書籍です。ドラッカーの本を読んでいくと「こんな経営管理を我が社にも取り入れてほしい!」と言わんばかりの美辞麗句が並んでいる訳ですが、営業部役員にはそれら手法を取り入れる姿勢は見られませんでした。例えば漫画の例をとるとドラッカーさんはこう書かれております。
会議の生産性をあげる
会議の生産性をあげるにはかなりの自制を必要とする。会議の目的を決めそれを守らなければならない。目的を達したときには直ちに閉会する。別の問題をもちだしてははならない。総括したら閉会する。
出典:ドラッカー名著集1 経営者の条件P13より
アメとムチによるマネジメント、すなわちX理論によるマネジメントはもはや無効である。先進社会では肉体労働者にさえ通用しない。
知識労働者に対しては、いかなる社会でも通用しない。マネジメントの手には、もはやムチはない。アメさえ人を動かす要因とはなくなった。
出典:ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践P290より
我が社の会議は生産性なんて皆無に等しく、ひたすらノルマ未達者を吊し上げる罵倒大会になっていましたし議題が脱線しまくりでした。また管理手法に至ってはドラッカーさんが現代では通用しないと言っている飴と鞭を存分に発揮され従業員を痛めつけておられました。
上司は書籍に書かれているような成果をあげる管理手法を何故実践しないのか?と疑問に思っていた所、赤田さんが教えてくれました。営業部役員がビジネス書を読む目的は、クライアントと話題を合せるためだそうです。つまり読書によって得たマネジメントの知識を会社に生かそうとは思っていないのです。役員クラスの人だったら権力も実行力もあるのだから、本の内容を実践してくれよ…と下々は思うのですが…