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絶対に責任を課されない決断力とは

我が社では勇気ある決断をするよりも、如何に失敗しない決断をすることが評価ポイントでした。
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渡辺さんはとにかく自分の考えが無い人であり、合議にて決断を迫られた場合は社長の意見に賛同しつつもリスクを指摘しておくことで、万が一何かあった場合に「そらみたことか」と言える伏線を張り巡らせておられました。また単独で決断を求められ責任を課されそうになると「現場の判断に任せる」などと下に全てを押し付け、万が一何かあっても「現場を信頼してたのにけしからん!」と責任も擦り付けていました。

そうした渡辺さんの「後出しジャンケン&現場に決断を押し付ける」という決断力は下から見たらたまったものではないのですが、減点主義の社長からは「渡辺さんの判断は結構正しいよね」と評価されていました。そのため一部のリスクある決断を行う改革派の役員より渡辺さんが高評価を得てしまい、会社はどんどん保守的になり、責任はどんどん下流へ流され、従業員達のモチベーションは下がっていったのです。